「女遊びするやつは可哀想」と言っていた夫を、わたしは黙って疑い始めた
前回の記事で書いた、義母の一言で覚えた違和感。
あのあとわたしが選んだのは、夫を問い詰めることではありませんでした。気づかれないように、黙って証拠を集めること。なぜそうしたのか、当時の状況も含めて書いておきます。
「忙しい」の一言で、夫は家にいなかった
当時の元夫は、とにかく「忙しい、忙しい」が口ぐせでした。土日もなく、朝から晩まで出かけていて、家にはほとんどいません。コロナ禍の真っただ中だというのに、しょっちゅう泊まりがけで出かけていました。
事業を立ち上げたばかりだったので、その忙しさは本当なんだろうと、わたしは思っていました。「今が踏ん張りどきだから」と。
ただ、ひとつだけ引っかかることがありました。それまで元夫は、仕事の相手も内容も、固有名詞を使って事細かに話す人でした。ところがこの頃から、「打ち合わせ」「作業」とは言うものの、誰とどこで何をしているのか、よく分からないことが増えていたのです。いつもの“事細かさ”が、すっと消えていました。
その間、わたしは1歳の子どもを連れて自宅にこもり、ひたすらワンオペで育児をする日々。外にも出られない、頼れる人もそばにいない。正直なところ、わたし自身も相当に参っていました。
うまくいってはいなかった。でも「そこ」だけは疑わなかった
正直に言えば、夫婦としてうまくいっているとは言えませんでした。
それまでもかなりの状況を許容してきたつもりです。でも、家庭をまるごと放棄しているような夫の態度に、わたしはもう限界に近づいていました。衝突することも増えていて、家の空気はずっとピリピリしていました。
それでも——です。
元夫の女性関係を疑うことだけは、まったく頭にありませんでした。考えたことすらなかった。だからこそ、その可能性に気づいたときの衝撃は、言葉にできないほど大きかったのです。
「女遊びするやつは、満たされない可哀想なやつ」
なぜ、そこまで疑わなかったのか。
元夫は、女性に対して下ネタを言うようなこともまずなく、キャバクラや飲み屋の類いも「嫌いだ」と公言していました。それどころか、常日頃からこう言っていたのです。
わたしは、その言葉を信じていました。心から。
だからこそ、義母の一言で芽生えた違和感を、自分でも「まさか」と打ち消したくなりました。でも——あれほど立派なことを言っていた人の言葉と、目の前の不在の多さ。そのギャップが、かえって冷たく胸に残ったのを覚えています。
だから、問い詰めずに「黙って」動くことにした
もし問い詰めて、何もなかったら? もし問い詰めて、証拠を消されてしまったら?
頭のなかでぐるぐる考えた末、わたしは「確かめてから動こう」と決めました。感情で問い詰める前に、まず事実を、自分の手でつかもうと。
それに、わたしには分かっていました。元夫は、自分の行動を指摘されることを、何より嫌う人だったのです。これまでの衝突でも、わたしが思いを伝えれば伝えるほど話は通じなくなり、状況はただ悪くなっていくばかりでした。正面からぶつかっても、解決にはつながらない。それを、痛いほど知っていました。
いま振り返っても、この判断は間違っていなかったと思います。
疑いを持ったとき、いちばんやってはいけないのは「感情のまま問い詰めること」。相手に警戒されれば、証拠は一瞬で消えてしまいます。
ただし、黙って動くと決めたところで、わたしには「何を、どう集めればいいのか」の知識がまるでありませんでした。手探りで始めた証拠集めで、わたしがやってよかったこと・やっておけばよかったことは、次の記事で具体的に書いていきます。
同じように「黙って確かめよう」としているあなたへ。一人で抱え込まず、必要なら早い段階で専門家に相談することも、どうか選択肢に入れておいてください。