実録

夫の不貞に気づいたのは、義母の何気ない一言だった

子どもがまだ1歳を少し過ぎたばかりのころのこと。

その日は義父の誕生日を祝うため、家族そろって夫の実家へ遊びに行っていました。コロナ禍真っただ中だったので、孫と会える貴重な機会に嬉しそうな義父と義母。みんなにかわいがられて笑っている子どもを見ながら、こうして家族の時間を過ごせることはありがたいことだな、なんて思っていました。

違和感は、義母の一言から始まった

きっかけは、ほんとうに何気ない、義母のひとことでした。

会話の流れのなかで、義母がぽろっと口にした「新山さん」という名前。それが男の人なのか女の人なのかすら、わたしには分かりませんでした。話の内容そのものも、聞き流せばどうということのないものです。それでも、そのとき確かに、違和感を覚えたのです。

わたし
「新山さん……? わたし、その名前を聞いたことがない」

元夫は普段から、仕事で関わる人のことを、固有名詞を使って事細かに話す人でした。「お世話になっている人は把握しておいてほしい」と言って、関わりの多い相手は必ずわたしに紹介する。一緒に食事をすることも多くありました。

それに——当時、元夫はわたしに「毎日ひとりで作業している」と話していたのです。なのに、義母の話しぶりでは、その「新山さん」は元夫が毎日のように一緒に行動している相手のよう。夫の説明と、義母の話が、噛み合わない。「夫が、義両親には当たり前のように話していて、わたしには話していないことがある」——その不自然さに、胸の奥がざわっとしました。

男の人か、女の人かも分からない。それでも、ひとつだけはっきり感じ取れたことがありました。「この“新山さん”のことだけ、夫はわたしに知らせていない。きっと、知らせられない理由がある」。女性の影なんて、まだ1ミリも頭にはありませんでした。それでも、何かがおかしい——その感覚だけは、確かだったのです。

「気のせい」で済ませられなかった

その場では何も言いませんでした。にこにこ笑って、お茶を飲んで、子どもをあやして、いつも通りのわたしを演じながら、頭のなかではずっと、さっきの違和感がぐるぐる回っていました。

家に帰ってからも、その小さな引っかかりは消えませんでした。気のせいだと何度も自分に言い聞かせたけれど、一度芽生えた疑いは、そう簡単には消えてくれない。わたしは、気づかれないように、静かに調べ始めました。

そして、調べていくうちに——「もしかして、女なのか……?」という考えが、初めて頭をよぎったのです。元夫の女性関係を疑うなんて、それまで一度も考えたことすらなかった。それくらい、わたしにとっては“あり得ない”ことでした。

そして——残念ながら、その予感は当たっていました。

いま振り返って思うこと

あとから思えば、あの「違和感」を覚えた瞬間が、すべての始まりでした。

もしいま、当時のわたしと同じように「なんとなくおかしい」と感じたことのある人がいたら、立ち止まってみてください。

その違和感、気のせいじゃない可能性は高いです。

ただし、何の準備もなく感情のままに問い詰めてしまうのはおすすめしません。私も、「まず状況を正確に把握しなきゃ」と自分ではかなり冷静に動いたつもりでしたが、それでも「もっとこうすればよかった」とどれだけ悔やんだか。まずは気づいた時点で可能な限り正確に記録を残しておくこと、冷静に確実に証拠を集めること、必要に応じて専門家の力を借りること。それがのちの自分を守ってくれます。

具体的に「何をどう残せばよかったのか」「どんな証拠が有効だったか」「どこに相談すればよかったのか」は、別の記事で詳しく書いていきます。

かつての私と同じ立場に立ってしまったあなたが、一人で抱え込みませんように。

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