実録

「まだ紹介してなかったっけ?」——対談記事で“顔”を持った新山さん

前回、わたしは夫を問い詰めるより先に、黙って確かめようと決めました。

その「確かめる」きっかけは、思いがけず早く——義母の一言からたった二日後に、向こうからやってきました。

SNSに上がった、一本の対談記事

義父の誕生日から二日後のこと。夫がSNSに、ある対談記事をシェアしていました。

仕事関係の記事だな、と何気なく開いて——そこで、わたしの手は止まりました。

夫と並んで写る、ひとりの女性。記事には、その人の顔写真と、名前がはっきりと載っていました。

新山さん。

義母が、あの日あんなに馴染み深そうに口にしていた名前。男の人か女の人かも分からなかったあの「新山さん」が、いま、はっきりと顔と名前を持って、わたしの目の前にいました。

女性でした。

「まだ紹介してなかったっけ?」

わたしは、できるだけ何気なさを装って、夫に言いました。

わたし
「お義母さんが話してた新山さんって、この人だったんだね。わたし、全然知らなかった」

すると夫は、こう返してきたのです。

元夫
「え? まだ紹介してなかったっけ?」

——この返答に、わたしのなかで何かが静かに、決定的に、音を立てました。

「必ず紹介する人」が、なぜこの人だけ?

なぜ、この一言がそこまで引っかかったのか。理由を書いておきます。

夫は普段から、仕事で関わる人のことを、固有名詞を使って事細かにわたしに話す人でした。それどころか、「お世話になっている人は把握しておいてほしい」と言って、関わりの多い相手は必ずわたしに紹介する人だったのです。実際に一緒に食事をしたり、プライベートな付き合いをすることも多くありました。

なのに——毎日のように一緒に行動し、義母がお馴染みのように話すほど近い「新山さん」のことだけ、わたしは何ひとつ知らされていませんでした。

「まだ紹介してなかったっけ?」という、いかにも“うっかり”を装ったあの言い方。でも、必ず紹介してきた人が、この人だけ、こんなに近くにいるのに、紹介されていない。それは“うっかり”では説明がつきません。

紹介し忘れたんじゃない。紹介できない理由があったんだ。

そう直感した瞬間でした。

ここから、わたしは「確かめる」に動いた

この日を境に、わたしは本格的に動き始めました。

それまで明細すら気にしたことのなかったクレジットカードの履歴。領収書。夫の行動の記録。——「いつも仕事だと言っていたこと」を、ひとつずつ、事実と照らし合わせていく作業の始まりです。

そして、そこから出てきたものは、わたしの想像をはるかに超えていました。

具体的に「どんな記録から、何が見えてきたのか」は、次の記事で書いていきます。

もしいま、あなたが同じように「確かめよう」としているなら——感情で問い詰める前に、まず手元に残せる記録から、静かに確認してみてください。その一歩が、後のあなたを守ります。一人で抱えきれないときは、早めに専門家の力を借りることも、どうか選択肢に。

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