サレ妻大離婚記 第2話

実録

「女遊びするやつは可哀想」と言っていた夫

前回の記事で書いた、義母の一言で覚えた違和感。

そのあとわたしは、夫を問い詰めることはしませんでした。わたしが選んだ行動は、気づかれないように黙って証拠を集めること。なぜそうしたのか、当時の状況も含めて話したいと思います。

「忙しい」の一言で、夫は家にいなかった

当時の元夫は、とにかく「忙しい、忙しい」が口ぐせでした。土日もなく、朝から晩まで出かけていて、家にはほとんどいません。コロナ禍の真っただ中だというのに、しょっちゅう泊まりがけでも出かけていました。

会社を立ち上げたばかりだったので、本当に忙しいんだろうと、わたしは思っていました。「今が踏ん張りどきだから」と。

ただ、少しだけ引っかかっているところがありました。それまで元夫は、仕事の相手も内容も事細かに話す人でした。ところがこの頃から、「打ち合わせ」「作業」とは言うものの、誰とどこで何をしているのかよく分からないことが増えていたのです。

その間、わたしは1歳の子どもと自宅にこもり、ひたすらワンオペで育児をする日々。外にも出られない、頼れる人もそばにいない。ただでさえはじめての育児に戸惑いも多く、孤独で、元夫に訴えても理解してもらえないどころか、「事業をするのがどれだけ大変かわからないだろう」「理解がない」と逆ギレされる始末。正直なところ、わたし自身も相当に参っていました。

うまくいってはいなかった。でも「そこ」だけは疑わなかった

正直に言えば、夫婦としてうまくいっているとは言えない状態でした。

わたしとしてはそれまでもかなりの状況を許容してきたつもりでしたが、ひたすら自分の思い通りに行動し家庭を顧みない夫に、もう限界に近づいていました。衝突することも増えていて、家の空気はずっとピリピリしていました。

それでも——です。

女性関係を疑うことだけは、まったく頭にありませんでした。考えたことすらなかった。だからこそ、その可能性に気づいたときの衝撃は、言葉にできないほど大きかったのです。

「女遊びするやつは、満たされない可哀想なやつ」

なぜ、そこまで疑わなかったのか。

元夫は、女性に対して下ネタを言うようなこともまずなく、キャバクラや飲み屋の類いも「嫌いだ」と公言していました。それどころか、常日頃からこう言っていたのです。

元夫
女遊びをするやつは、他で認められず満たされない可哀想なやつなんだ。自分には大切な妻と子どもがいて、仕事でも人に認めてもらっている。だからそんなことをする必要が、まずないんだよ

その言葉には疑いをもったことがありませんでした。

だからこそ、義母の一言で芽生えた違和感を、自分でも「まさか」と打ち消そうとしていました。でも——あれほど立派なことを言っていた人の言葉と、目の前の不審な事実。そのギャップが、かえって冷たく胸に残ったのを覚えています。

だから、問い詰めずに「黙って」動くことにした

問い詰めて、何もなかったら?証拠を消されてしまったら?

頭のなかでぐるぐる考えた末、わたしは「まずは確かめよう」と決めました。感情で問い詰める前に、まず事実を、自分の手でつかもうと。

それに、わたしには分かっていました。元夫は、自分の行動を指摘されることを何より嫌う人だったのです。これまでの衝突でも、わたしが思いを伝えれば伝えるほど話は通じなくなり、状況はただ悪くなっていくばかりでした。正面からぶつかっても、解決にはつながらない。それを、痛いほど知っていました。

いま振り返っても、この判断は間違っていなかったと思います。

疑いを持ったとき、いちばんやってはいけないのは「感情のまま問い詰めること」。相手に警戒されれば、証拠は一瞬で消えてしまいます。

ただし、黙って動くと決めたところで、わたしには「何を、どう集めればいいのか」の知識がまるでありませんでした。手探りで始めた証拠集めで、わたしがやってよかったこと・やっておけばよかったことは、次の記事で具体的に書いていきます。

同じように「黙って確かめよう」としているあなたへ。一人で抱え込まず、必要なら早い段階で専門家に相談することも、どうか選択肢に入れておいてください。

記事一覧へ戻る