サレ妻大離婚記 第24話
実録電話

前回、夫は「支援」という言葉で、払うべきお金を“施し”に変えました。
結婚して以来、家のお金を回していたのはわたしでした。夫の仕事が軌道にのるまで、夫をわたしの扶養に入れて、家賃も光熱費も食費も、生活のほぼすべてをわたしが負担していました。
自分のやりたいことを形にしていく夫を尊敬していたし、心から応援していたから、わたしが支えられればと思っていたのです。
別居して1週間ほど過ぎた頃、わたしが今後のことを話したいと伝えると、夫から電話がかかってきました。
「せっかく電話してやってるのに」
電話で夫が話したのは、ほとんどが仕事の愚痴、それも、このような状況になったことでいかに大変なことになっているか、という話でした。自身の報酬はまだ一銭も出ない。ひとりでは手が回らない。新山さんにも、一銭も払えていない。
あとで知ったことですが、この数日前、夫は新山さんに8万円振り込んでいました。 一銭も払えてないという嘘もさることながら、1カ月休みなく、朝から晩まで毎日拘束して8万円、一体どういう計算なのだろうか。
さらに前述の通り、この数日前に、夫が新山さんと一緒にいるところに友人が接触してくれていました。別の筋からも、毎日新山さんと楽しそうにしてるという情報を得ていたので、ひとりで必死に働いているというのも嘘だとわかっていましたが、あえてこう聞きました。


以前、新山さんはワーキングホリデーに行く予定=だから一時的な関係なのだ、という言い訳めいた説明を受けたことがあったので、聞いてみました。


せっかく電話してやってるのに。
「動き、見てるんだから」
夫が落ち着いたあと、わたしは聞きました。




位置情報をオフにしたりオンにしたり、さりげなくごまかしてるのも知ってるよ。






もはや意味が不明だ。


「何も思ってない」
少しの沈黙のあと、わたしは聞いてみました。


夫は仕事でもプライベートでもすべてわたしの家族カードで支払いをしていて、それはわたしの口座から引き落とされるので、利用した金額を振り込んでもらっていました。それも、期日までに払ってくれることの方が少なかったけれど。


あなたの食費?


別居前も家族の食費以外、本当にわたしは一切お金を使っていませんでした。別居した日、母がわたしの財布を見て言葉を失っていました。お札が一枚も入っていなかったからです。普段からキャッシュレスで支払いをしていたというのもあります。でも、正直なところ、あのころはそれを抜きにしてもお金にかなり困っていて、必死にやりくりしていました。
ちなみに、この時の夫の車検代は約20万。家族に散々苦しい思いをさせ続けながら、自分は分不相応な車に乗り、新山さんと遊んでいる夫。
一連の出来事の中でわたしがショックだったのは、不倫そのものというよりも、夫が平気でこんな非道なことをしていたこと、そして、それを改めることなく続けたことでした。夫がそういう人間だったこと。わたしと子どもが、そんなふうに扱われていたこと。それが、何よりも辛く、悲しかった。
1万円
電話のあいだ、夫は一度も、わたしの体調も子どもの様子も聞きませんでした。

この日はこれで終わりました。そして翌日。

“あなたの食費”の分でしょうか。わたしは何も聞かず、「ありがとう。」と返信しました。
次回に続きます。