サレ妻大離婚記 第23話

実録

存在自体が支援

前回、浮気は「妄想」、新山さんの無礼の原因はわたしの「表情」、ねこと子どもは「誘拐」と、すべてをこちらのせいにしていく夫のことを書きました。

話はお金のことに。しかしここでも、返ってくるのは答えではありませんでした。

「支援を続ける」

わたし
わたしや子どものことはどう考えてるの?
元夫
今は、実家でゆっくりするべき時
わたし
なぜ?
元夫
それを考えながら生活してるのかと思った
わたし
あなたがどう思ってるのかを聞いてる
元夫
健康でいてほしい。今後もその支援を続ける

支援。言葉自体はやさしい響きです。

わたし
そういう風に思ってくれてるんだ、ありがとう。その“支援”って、何を指して言ってるの? 子どもに対してはどう思ってるの?
元夫
子どもに対しても、同じ
わたし
元気でいてほしい、ということね。あなたが考えてる、わたしたちが元気でいるための“支援”って具体的には?
元夫
今は、実家にいること

実家にいることが支援。でも、わたしと子どもをここに置いて、金銭的にも実際にも生活を支えてくれているのは、夫ではなくわたしの両親です。両親に生活費すら渡していません。

わたし
それはあなたじゃなくて、わたしの両親が支援してくれているのでは?
元夫
あー、そういうこと言うわけね

「お前は、何ができてる?」

責めているわけではありませんでした。ただ、意図がわからないから聞きました。そのことも伝えました。

わたし
すぐそうやって言わないで、わかるように伝えようとしてほしいってずっと言ってるよね
わたし
もし生活費のことを言ってるなら、婚姻費用を負担するのは働いている配偶者として必要なことだよね

そもそも渡してないけど。

夫は、いつもこうでした。「自分は貢献感をもって、粛々とできることをするだけ」と言いながら、その口で、わたしを問い詰めるのです。

元夫
俺は家族のためにこんなにやってる。お前はどうなんだ、何ができてる?

夫が口にした“支援”について聞いているのに、いつのまにか、“何もできていないお前”の話になる。

「存在自体が、支援」

しばらくして、夫は、こう送ってきました。

元夫
お金は払うと言っている。この一連のメッセージを、名前などを入れ替えながら、自問してみてほしい。時間のあるときにでも。……私は、あなたの“存在自体”が子どものための支援だと思っている

つまり、お前は稼いでいないだろう、責任を果たしていないだろう、そんなお前を俺は許してやっているんだぞ、ということか。

ここで驚きの事実をひとつ。わたしが仕事を辞めることになるまで、夫は、家賃も光熱費も食費も、引っ越し費用すらも、一切の生活費をわたしに依存し、なんならわたしの扶養に入っていました。

わたし
わたしが生きていることが子どものためで、その命を守るために、わたしたちを実家にいさせてやっている。それが、あなたの言う“支援”ということ?

「支援し続ける」と書いてあったから、何か具体的な中身があるのだと思っていました。でも、ふたを開けてみれば、「心ゆくまでそこにいていいよ、俺はひとりでやっていくから」。ただ、それだけでした。

払うべきお金は、「施し」。義務は、やさしい言葉にくるまれて「恩」に変わり押し付けられました。

名ばかりの「支援」

別居してからも、位置情報の共有は続ける、やましいことはないのだから好きなだけ見ればいい、そういう話になっていました。県外の実家にいるわたしにとって、夫自身が“好き勝手はできない”と抑制するための歯止め、という意味でも頼みの綱でした。

元夫
GPSの件ひとつとっても、私が嫌いなことです
わたし
わたしが安心して生きられるための“支援”をしてくれると言うのなら、そのひとつとして続けてほしい

返事は、ありませんでした。

その夜、ねこの様子を聞いたわたしに、夫が送ってきた最後の一言は、これでした。

元夫
疲れた

支援という、言葉

約束は「不可能」に。払うべきお金は「施し」に。わたしの安心は「嫌いなこと」。そして、わたしの存在そのものが「子どもの支援」だと、夫は言いました。

何を聞いても、返ってくるのは都合よく並べ替えられた言葉と、「悪いのはお前だ」という、結論だけ。

わたしと子どもは、この人にとっていったい何なのだろう。その問いを抱え、次回に続きます。

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