サレ妻大離婚記 第8話
実録「もう自分を偽らない」

前回、“ワイパー”を持ち出して送迎を正当化した夫。あの全面衝突の翌日。
わたしは病院に行きました。
涙が止まらなくなって、心療内科へ
このころのわたしは、突然涙が止まらなくなることが続いていました。子どもを抱っこしている最中に、急に手が震えだすこともありました。
さすがにまずいと思い近所の心療内科に電話すると、突然にも関わらず診てもらえることになりました。
結果、抗不安薬を処方され、カウンセリングにも通うことになりました。人生で初めてのことでした。
薬を受け取ったとき、正直こう思いました。——わたし、薬を飲まなきゃいけないんだ。
「送迎はしないということ?」「そう」
その日、夫は朝から出かけており、夕方、こんなやりとりをしました。





そう。
前の晩あれだけ「送迎は必須の業務だ」「経営者なら当たり前だ」と絶叫していた人が、たった一日で、二文字で業務放棄。
GPSで確認すると、夫は家具店に1時間半ほど滞在していました。事務所で使う備品を買いに行ったのだと思います。そして店を出た直後、近くの駅に2分だけ立ち寄っていました。
わたしはそれを見て、「送迎はしない」と言った手前、彼女の家まで送ることはせず駅で別れたのだろう、と理解しました。
実際、そのとおりでした。 この日、夫は送迎をしなかった。わたしは「それ、おかしくない?」と言っただけで、やめてと求めたわけではないのに。
だから、少しだけほっとしていました。あれだけこじれた話が、少しだけ動いた気がして。
——その夜に何が待っているかを知らずに。
「もう自分を偽らないことにした」
その夜、夫はかなり不機嫌に帰宅しました。そして、こう宣言したのです。

宣言。
何をどう偽っていたのかも、これから貫くスタイルとやらが何なのかも、一切の説明はありません。ただ、これまでのわたしとの時間が「自分を偽っていた期間」に分類されました。
わたしは言いました。

その瞬間です。
夫は、待っていましたと言わんばかりに顔を輝かせて、わたしにスマホを向けました。
——わたしのその言葉を撮ろうとしたんです。
そこで、息ができなくなりました。
わたしは、その日もらったばかりの抗不安薬を、初めて飲みました。
そして話は、いつもの場所へ
しばらくして落ち着くと、夫はそれまで見たこともないわたしの姿にびっくりしたのか、それまでの態度をやめて、落ち着いて話をしてくれました。

謝罪のように聞こえます。でも続きがありました。

夫の得意技、当てつけ。
わたしが求めたのは「女性を雇うな」ではありません。求めたのは、既婚男性が特定の女性を毎日自宅まで送り、二人で食事をし、家に何時間も滞在するのをやめてほしい、ということです。それを「じゃあ女はもう雇わない」に変換して差し出してくるのは、譲歩ではなく単なる嫌味。
そして最後は、いつもの場所に着地しました。


この日わたしは、心療内科で薬をもらって、夫が彼女と過ごすのをGPS越しに見守って、限界を告げて、それを撮影されそうになって、生まれて初めて抗不安薬を飲みました。
その締めくくり、「感謝が足りない」。
話がすり替わる、ということ(同じような状況の人へ)
いま読み返すと、この日のやりとりには、あとで名前を知ることになるパターンがそろっています。
一見理解を得られたように見えるのに、事態は何ひとつ良くならない。 譲歩に見せかけた当てつけ。そして最後は必ず「自分がどれだけ〇〇か」に話がすり替わり、いつのまにかこちらが責められている。
渦中にいると、これを見抜き正当に跳ね返すことは困難です。毎回「わたしの伝え方が悪かったのかな」と思わされて、いつのまにか謝る側に回っています。
もしいま、話し合うたびに自分が謝って終わっているなら、それはあなたの伝え方の問題ではないかもしれません。記録を残してください。 日付と、言われた言葉と、その時の自分の状態を。あとから並べて読むと、パターンがはっきり見えます。わたしがこうして書けているのも、あの頃の自分が記録を残していたからです。
そして、心と体に症状が出ているなら、迷わず病院へ。わたしはもっと早くに行くべきだったと思っています。
次の記事では、その翌日のことを書きます。夫がGPSを故意にオフにした日。指摘したわたしに返ってきたのは、1時間6分の絶叫でした。