サレ妻大離婚記 第21話
実録必要な人材

前回、隣県の街で夫と新山さんが二人でいるところに、友人が接触してくれました。
その後、夫の言葉は毎日のように形を変えていきました。
朝、「もう会ってない」





二日前、二人がカフェにいたのを、わたしは知っています。友人が、その目で見てくれたから。
それでも、あえて「ありがとう」と返しました。理由は二つあります。夫が「辞めさせる」という話をどう運ぶつもりなのか見たかった。そして——できることなら、本当に辞めさせてほしかった。
夫は続けて、こう送ってきました。

会議で決める。今日明日で辞めてもらう。そういう話でした。少なくとも、朝は。
夜、「必要な人材」
その日の夜、わたしはもう一度聞きました。


朝は「今日か明日、辞めてもらう」でした。それが夜には、「必要な人材」に。半日でこの変化です。



夫は、わたしの質問には答えませんでした。
翌日、「株主が」
翌朝。わたしは、少しだけ踏み込みました。


返ってきたのは、会社の話でした。

両親?どこからでてきたんだ。

株主。理事。株価。金融。父は何の関係が?
夫の浮気相手を辞めさせるかどうかの話をしていたはずでした。それがいつの間にか、会社の経営を揺るがす一大事として語られていました。しかもわたしがその原因であるかのように。


午前中までに答えてほしい、と伝えました。「時間がないので午後になる」と返ってきて、夜になって、ようやく一言だけ届きました。

三人で話して、必要な人材だと決めた。そういうことになりました。
その次の日、「会社外の人に文句を言われたら」
さらに次の日。夫の説明は、また別の言葉に変わっていました。

会社外の人。わたしのことです。





答えを少しずらして誤魔化し、逆に相手を攻撃する、それが夫のお決まりの逃げ方でした。
三日での変化
「浮気相手に辞めてもらう」という話をしていたのに、夫の態度と返ってくる言葉は次々と変わっていきました。「今日か明日辞めてもらう」はずが「必要な人材」になり、「会社に代え難い存在」になり、最後には、わたしのほうが「会社外の人」と排除されました。
たった三日で、「妻 対 会社に必要な人材」の話にすり替わった。問題をあやふやにして、最終的にこちらに非があるかのようにして責める。
わたしに必要なのは、その場で夫を言い負かすことではありませんでした。だからぐっとこらえて、日付と状況と言葉を、しっかりと残しました。
じゃあ、わたしと子どもは夫の何なんだろう。その問いを抱え、次回に続きます。